引き寄せの法則が怪しいと感じる理由|中身ではなく、売り方を条文に当てる

引き寄せの法則が怪しいと感じる理由|中身ではなく、売り方を条文に当てる

怪しいと感じたのは、気分ではない。見ているのは、話の中身ではなく売り方のほう。
怪しいと感じたのは、気分ではない。見ているのは、話の中身ではなく売り方のほう。

引き寄せの話を聞いて、いい話だと思った。それなのに、申し込みのボタンの手前で指が止まった人。

その引っかかりを、まわりに言えないままにしている人。

僕も、止まった側にいたことがあります。

あの感じは、正しいです。

先に結論を書きます。あなたが見ているのは、話の中身ではありません。売り方のほうです。広告と勧誘のどこがまずいかは、日本の条文がすでに書いています。

条文は、すぐ開けます。

順番に書きます。

怪しさは、中身ではなく売り方に出る

引き寄せが本当かどうか。そこを言い合っても、話はたいてい終わりません。

中身をめぐる話本当かどうかを言い合う効いた話にも、効かなかった話にも材料が出る平行線のまま終わる売り方をめぐる話広告に根拠の出どころがあるか勧誘で不安をあおっていないか条文が、すでに書いている中身をめぐる話本当かどうかを言い合う効いた話にも、効かなかった話にも材料が出る平行線のまま終わる売り方をめぐる話広告に根拠の出どころがあるか勧誘で不安をあおっていないか条文が、すでに書いている
同じ商品でも、見る場所を変えると答えが出る。中身は平行線、売り方は条文に当てはめられる。

効いた話が出れば、効かなかった話が出る。

どちらも、証拠のように並べられます。

平行線に、なります。

根拠をひとつずつたどってみた話は、引き寄せの法則は嘘なのかに置きました。100匹目の猿も、イェールの目標調査も、たどると消えます。

ただ、ひとつずつたどるのには、手間がかかります。

いま止まっている人に要るのは、もっと短い道具のほうです。

その場で使えるものです。

だから、見るところを中身から売り方へ移します。

売り方なら、条文に当てはめられます。

むずかしい知識も、いりません。

見るのは、そこだけです。

——ここから先は、条文に書いてあることだけを書きます。

景品表示法は、根拠を出す責任を売る側に置いている

ひとつ目が、景品表示法の第7条第2項です。

消費者庁措置命令を出すか判断するため、根拠の資料を期間を決めて求める売る側その期間のうちに資料を出せない結果その命令との関係で、優良誤認表示とみなされる消費者庁措置命令を出すか判断するため、根拠の資料を期間を決めて求める売る側その期間のうちに資料を出せない結果その命令との関係で、優良誤認表示とみなされる
景品表示法の第7条第2項。資料を求めるのは消費者庁で、買った人ではない。

条文を短くすると、こうなります。

消費者庁は、措置命令を出すかどうかを判断するために、その表示の裏づけとなる合理的な根拠を示す資料を、期間を決めて出すよう求めることができる。事業者がそれを出さないときは、その命令との関係で、優良誤認表示とみなされる。

資料を求めるのは、消費者庁です。

買った人が売り手にそう言えるしくみでは、ありません。

だから見どころは、別のところにあります。求められたら出せる根拠を、その売り手がいま持っているか。そこです。

「9割が変わりました」と書いてあって、その9割がどこから出た数字か書いていない。

そういう広告を出した売り手は、求められた日に困ります。

数字の出どころが書いてあるか。

そこが、分かれ目です。

消費者契約法は、不安のあおり方まで書いている

ふたつ目が、消費者契約法の第4条第3項です。

第4条第3項(入口)勧誘のときの行為で困惑し、それで申し込んだこと同 第8号(霊感等)霊感等の知見だとして不安をあおり、契約が必要不可欠だと告げる同 第5号(願望)経験の乏しい人の願いへの不安を知りながらあおり、根拠なく「これが要る」と告げる出典: e-Gov法令検索で条文を確認
取り消せるかどうかは、入口と行為の両方がそろったとき。号だけを見ると広く読み違える。

この項は、事業者が勧誘のときにやった行為で消費者が困惑し、それで申し込んだときは、あとから取り消せる、という作りになっています。

まず、困惑したこと。

そこが、入口です。

そのうえで、行為のほうが号ごとに並びます。

第8号は、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見だとして、そのままでは重大な不利益を避けられないと不安をあおる。または、その不安に乗じる。そのうえで、この契約が必要不可欠だと告げる行為です。

第5号は、もう少し細かいんですよね。

社会生活上の経験が乏しいことから、進学・就職・結婚・生計や、容姿・体型についての願いの実現に過大な不安を抱いている——事業者がそれを知りながら、その不安をあおり、裏づけとなる合理的な根拠も正当な理由もないのに「これが要る」と告げる行為。

いくつもの条件が、重なっています。

願いに触れて「これが要る」と言えば、それだけで第5号になるわけでは、ありません。

ここを、読み違えやすいんですよね。

条文のほうが、細かいです。

間に合う期限は、条文に書いてある

もう払ってしまった人のために、期限を書いておきます。

3年霊感等をうたった契約の取消し追認できるときから。ふつうは1年10年同・契約のときからふつうは5年8日クーリング・オフ訪問販売・電話勧誘。書面を受け取った日から出典: 消費者契約法7条1項・特定商取引法9条・24条3年霊感等をうたった契約の取消し追認できるときから。ふつうは1年10年同・契約のときからふつうは5年8日クーリング・オフ訪問販売・電話勧誘。書面を受け取った日から出典: 消費者契約法7条1項・特定商取引法9条・24条
払ったあとに残っている日数。条文が数字で決めているところだけを並べた。

取り消せる期間は、消費者契約法の第7条第1項です。

ふつうは、追認できるときから1年・契約から5年。

霊感等をうたった第8号だけは、追認できるときから3年・契約から10年と、長く取ってあります。

そこだけ、長いです。

クーリング・オフのほうは、特定商取引法です。

訪問販売なら第9条、電話勧誘販売なら第24条。どちらも、書面を受け取った日から数えて8日。

ネットで買ったものは返せない、ともよく言われます。

正確では、ないです。

第15条の3では、返品についての特約が広告に書かれていなかったとき、受け取った日から数えて8日までは、契約をやめられます。

ただし、送り返す費用は買った側の負担です。

そこは、動きません。

ただし、この8日がおよぶ先は決まっています。第15条の3がおよぶのは、届く商品と特定権利だけです。セミナー・講座・鑑定のような役務は、この8日に入りません。

期限があるということは、迷っているいまも、その日数はもう進んでいるということです。

迷っている人は、たくさんいます。

消費者庁の資料では、開運商法ということばで登録された相談が2012年度に3,267件。その後は減って、2017年度からは年1,200〜1,500件くらいで動いています。

相談先は、全国共通の消費者ホットライン「188」。

日にちは、進みます。

止まっては、くれません。

国民生活センターは、そこにただし書きを置いています。取り消せる可能性はあるけれど、要件や証明することが複雑で、事業者と争いになることがある、と。

だから、早いうちに手を引いたほうがいい。

早く動くほど、取り返せるものが多く残ります。

今日の話をまとめると

「怪しい」は、気分ではありません。

中身で決めようとする本当かどうかを言い合う。材料を出し合っても、平行線のまま終わる売り方で決める数字の出どころが書いてあるか。不安をあおられていないか。払った日から、何日たったか中身で決めようとする本当かどうかを言い合う。材料を出し合っても、平行線のまま終わる売り方で決める数字の出どころが書いてあるか。不安をあおられていないか。払った日から、何日たったか
この記事の着地。決めるのは、話の中身ではなく売り方のほう。

あなたが見ているのは、話の中身ではなく売り方のほうです。

広告に、数字の出どころが書いてあるか。勧誘のときに、不安をあおって「これが要る」と言われなかったか。どちらも、条文がすでに書いていることです。

そして払ったあとにも、日数が残っています。8日・3年・10年。

どれも、条文の数字です。

今夜、3分だけ使ってください。いま気になっている広告をひとつ開いて、そこに出ている数字の出どころを探す。

見つからなければ、そこで止まる。

法則の部分を落として、残るところだけを使いたい人は、引き寄せの法則に科学的根拠はあるのかへ。

条文まで開いて書いている理由は、プロフィールにあります。

出典・参考文献

  1. 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第7条第2項.
  2. 消費者契約法(平成12年法律第61号)第4条第3項柱書・第5号・第8号、第7条第1項.
  3. 特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)第9条、第24条、第15条の3.
  4. 消費者庁. 第1回 霊感商法等の悪質商法への対策検討会 資料4「霊感商法(開運商法)に関する消費生活相談について」2022年8月.
  5. 国民生活センター. 消費者トラブルFAQ「【霊感商法】霊感商法とは何か。」(掲載2023-12-21/更新2026-01-13)

条文はすべて e-Gov法令検索で全文を開いて写しました。相談の件数は消費者庁の資料のPDFで確かめたものだけです。実際に取り消せるかどうかは事情ごとに変わるので、判断は相談先で確かめてください。

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